謎の島で推し二人に叫んで怒られる
どうも、たまです。
今回ご紹介するのはこちらの診断です。
フォロワーさんを怒らせるとどうなるか予想する診断です。
ではやってみます。
Aさん「にらんでくる」
Bさん「悪い子はご飯抜きよ!」
Cさん「そこ座って」
Dさん「もう一回言ってみろ」
Eさん「見損なったよ…」
Aさん、などはフォロワーさんのお名前です。
みんな、こわーい。
では続いてこちらの診断をご紹介します。
あなたが推し二人から告白されるという診断です。
ではやってみます。
佐藤「手、繋いでいいですか?」
克巳「今度、二人で遊び行かない?」
どこの佐藤さんかわからないし、下は自分のペンネームだし。
では続いてこちらの診断をご紹介します。
あなたが叫びそうなセリフを予想する診断です。
ではやってみます。
「佐藤、付き合ってー!」
「マイクラはいいぞー!」
「猫パンチ友達が欲しーい!」
「そうめんが好きだー!」
そうめんは好きです。
では最後にこちらの診断をご紹介します。
あなたのツイートから「謎の島」の怪談を作るという診断です。
ではやってみます。
幼い頃、両親がコーンポタージュトラブルに巻き込まれ、私は一時的に遠い親戚に預けられた。
「ゲシュタルト崩壊島」、そこがその場所の名だった。
正式な名が別にあったはずだが、皆がそう呼んでいた。理由はわからない。
母はその頃、猫パンチ依存症に苦しんでいて、付き添いは父一人だった。
島までは船で行ったのだが、島に向かう乗客たちは皆一様に異様なほど物静かで、まるでお葬式のようだと思ったことを覚えている。
港には私が初めて会う遠い親戚のおじさんが迎えに来ていた。
確か、名前は「メロスおじさん」と言ったはずだ。どんな漢字を書くのかは今となってはわからない。
父は乗ってきた船に乗り、島から去っていった。私はおじさんに手を引かれ、彼の家へと向かった。
メロスおじさんは「たくあん荘」という民宿をやっていた。おばさんも優しそうな人だったし、二人の間には私と歳が近い兄弟がいた。
もちろん不安もあったが、新しい生活に私はどこかワクワクしていた。
しかし歯車は少しずつ狂い始めた。
まず兄弟と私は次第に上手くいかなくなった。
最初のうちはお互い恥ずかしがりながらも仲良くやれていたと思う。
ところが彼らが「大喜利ごっこをしよう」と言い始めてから私たちの関係はおかしくなった。
それはその島独自の遊びであるらしく、私は全く初見だった。
彼らは私がその遊びを知らないことに驚き、ルールやマナーについて教えてくれた。
しかしそれはとても複雑で今思えばどこか儀式めいたものだった。
私は何度もやり方を間違え、そのたびに怒られ、そのうち兄弟は私と遊ばなくなった。
島には他にも歳の近いこどもたちは居たのだが、兄弟が私を無視するようになると、その子たちも私の存在を認めなくなった。
私は一人で遊ぶようになった。
ある日のことだ。私は島の外れにある神社に向かった。
確か「パンチ神社」と言ったはずだ。どんな漢字を書くのか、今となってはわからない。
そこはおじさんから「絶対に一人で行ってはいけない」と言われていた神社だった。何やら古くからの言い伝えがあって大人でも必ず二人以上伴って行くことになっているといういわくつきの場所らしかった。
私は両親と離れ、島のこどもたちの中で孤立し、自暴自棄になっていたのだと思う。
鳥居をくぐり、木々に囲まれた境内に入ると、そこはしんと静まり返った空間だった。
先程まで聞こえていたはずの街の喧騒や鳥の声すら聞こえなくなり、私は早くもここに来たことを後悔し始めていた。
その時、私は背後から見られているような視線を感じた。
びくっと振り返るとそこには一人のこどもが立っていた。
これまで島では一度も見たことがない子だった。
「君は誰?」
私がそう問いかけるとその子はこう答えた。
「蟹井」
やはり聞いたことのない名だった。
「遊ぼう」
唐突に蟹井はそう言った。
それから私たちは神社の境内で鬼ごっこやかくれんぼなど定番の遊びを楽しんだ。
蟹井は島の他のこどものように大喜利ごっこをしようとは言わなかったから私は久し振りに楽しかった。
少し疲れた私たちは神社の階段に座って休むことにした。
私はその時、島のどこら辺に住んでいるのか、歳はいくつなのか、など、色々と質問をしたような気がする。
しかし蟹井は質問には答えず黙ってニコニコしているだけだった。
そして突然、私の手を取り、神社の扉の前に連れて行き、中に入るように言った。
驚くことに扉には鍵など付いておらず軽く押すと、ぎいっと音を立てて開いた。
手を引く蟹井に私は抵抗した。こういう場所に勝手に入ったら大人に怒られる、そう思ったからだ。
しかし蟹井の力は異常なほど強かった。無理に逆らえば腕がちぎれる、本気でそう思うほどに。
強引に中に連れ込まれ、私は神社の内部を始めて見た。
何もない空間。奥の壁に一枚だけ小さな紙が貼ってあった。
小さな字でびっしりと何かが書いてあった。難しい漢字や日本語とは違う字が書いてあったような記憶がある。
唯一読み取れたのは「陽キャ」や「突然マイクラ」、そして「封」という字だった。
呆然とそれを見つめる私の耳元で蟹井は「それ、剥がして」と言った。
私は驚き振り返った。蟹井は依然としてニコニコしていた。
もう一度、その紙を見る。
これはただの紙じゃない、「お札」というやつだ。
こどもながらに「これに手を触れてはいけない」ということはわかった。
直感というか、本能がそう教えてくれた。
躊躇する私の耳元で蟹井は先程と同じトーンで「はがして」という言葉を何度も繰り返した。
私はもう振り返ることが出来なかった。そこにいるのはさっきまで遊んでいたこどもじゃない、そんな気がした。
自分の意思に反して震える手で私はそのお札を勢いよく破り捨てた。
嬉しそうな狂気じみた「複数の」笑い声が背中越しに聞こえた。
振り返るとそこには蟹井の姿はなかった。
扉の隙間から見えた空はいつの間にか真っ赤な夕焼けになっていた。
私は悲鳴を上げながら神社の外へと飛び出した。
何度も転びながらおじさんの民宿までたどりつくと、傷だらけの私を見ておばさんが悲鳴を上げた。
私は涙が止まらなかった。何があったか理由を聞かれ、私は仕方なく正直に自分が体験したことを話した。
おばさんは真っ青な顔をしていた。出掛けていたおじさんが帰ってくるとこれまでの優しさが嘘のようにこっぴどく怒られた。
おじさんはまたどこかに出掛けて行った。そのうち役場からの町内放送が流れ、緊急事態が知らされた。
帰ってきたおじさんは物置から「仮面」を持ってきた。はっきりは覚えていないが、今で言うと「ヒマラヤン」のようなデザインだったと思う。家族と私は急いでそれをかぶるように言われた。
今日は客が居なくて助かった。余分な仮面は無いからな……。
そんなおじさんの言葉がやけに印象に残っている。
次の日、突然、父が迎えに来た。どうやら私が知らない間に連絡を入れていたようだ。
父は仮面をかぶった私やおじさん、島中の人たちを見てぎょっとしていたが、それ以上、何も聞こうとしなかった。
おそらく何かを知っていたのだろう。
おじさんは「船が沖に出るまで仮面を取らないように」としつこく念を押し、もし何か変なものを見たら唱えるようにと不思議な呪文を教えてくれた。私たちは船に乗った。
船が島を離れていく。その時、私は確かに見た。
こちらに向かって手を振る蟹井の姿を。
メロス量産型アップデート破壊神イメチェン流行語イヤホンそうめん……。
私はぎゅっと目をつぶり心の中で一生懸命そう唱えた。
目を開けてみるともう蟹井の姿はなかった。
島の影がおぼろげになった頃、父はそっと私の仮面を外した。
父はそれを海に捨てた。
それ以来、私はあの島に一度も行っていない。
謎ですねえ。
では今回はここまで。
また次回。